ステーキハンバーグ&サラダバー けん — FC調査データ
データ収集日: 2026-04-05
1. FC本部・企業情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド名 | ステーキハンバーグ&サラダバー けん |
| 旧運営会社 | 株式会社エムグラントフードサービス(旧称:MFSほか) |
| 旧代表 | 井戸 実(「ロードサイドのハイエナ」の異名で知られた炎上系経営者) |
| 旧本社 | 東京都千代田区 |
| 旧資本金 | 非公開 |
| 旧設立 | 2006年(ブランド創業) |
| **現運営会社** | **株式会社焼肉坂井ホールディングス**(旧ジー・テイスト) |
| 現代表 | 髙橋 仁志 |
| 現本社 | 神奈川県(焼肉坂井HD本社) |
| 上場 | 東証スタンダード市場(焼肉坂井HD) |
| 現在の事業内容 | 焼肉・ステーキ・回転寿司・居酒屋等の外食チェーン運営 |
| 現在の「けん」店舗数 | **3店舗(2024〜2025年時点。絶滅危機状態)** |
| 公式サイト(現在) | https://www.yakiniku.jp/steak-ken/ |
ブランド概要:
「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」は2006年に千葉県流山市に1号店を開店したロードサイド型ステーキ・ハンバーグ専門レストラン。ステーキ・ハンバーグにサラダバー食べ放題を付帯させた「コスパ重視の郊外外食業態」として急成長し、2012年の最盛期には260店舗超に達した。しかし競争激化・食材品質の低下・FCオーナーの連続倒産・社長(井戸氏)の炎上発言等が重なり急速に縮小。旧運営会社エムグラントフードサービスは2020年3月に東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けた(負債:約4億5,000万円)。2019年7月に焼肉坂井HD(当時ジー・テイスト)へ事業譲渡され、2024〜2025年時点で残存3店舗のみという業界史上稀に見る急激な縮小事例として知られている。
本調査の目的: 現在の加盟機会を評価するためではなく、フランチャイズ失敗の反面教師的事例として収録する。
ソース: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%A0%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9, https://ys-holdings.co.jp/brand/
2. 加盟条件・初期費用(旧運営会社時代の記録)
重要注記: 以下はエムグラントフードサービス時代(2006〜2019年)の条件。現在、焼肉坂井HDではFC加盟募集を行っていない可能性が高い。
初期費用内訳テーブル(旧・エムグラント時代)
| 項目 | 金額(旧条件) | 備考 |
|---|---|---|
| 加盟金 | 約300〜500万円 | 時期・プランによる |
| 保証金 | 200万円(加盟金含む合計500万円) | |
| 研修費 | 要資料請求 | |
| **契約時合計** | **約500万円(加盟金・保証金合計)** | |
| 物件取得費 | 0〜200万円 | 居抜き物件(撤退ファミレス等)活用が前提 |
| 内外装費 | 500〜1,000万円 | 居抜き活用のため低め |
| 厨房設備 | 200〜500万円 | |
| 運転資金 | 300〜500万円 | |
| **初期投資総額** | **約2,000〜2,500万円** |
月間固定費内訳テーブル(旧・推定)
| 費目 | 月額(推定) | 備考 |
|---|---|---|
| **ロイヤリティ** | **売上の3%**(月商900万円の場合27万円) | 業界最低水準だった |
| 広告分担金 | 要資料請求 | |
| 家賃(ロードサイド居抜き) | 400,000〜800,000円 | 郊外ロードサイドのため比較的安い |
| 水光熱費 | 200,000〜400,000円 | サラダバー冷蔵設備・調理設備が大きい |
| 人件費 | 2,000,000〜3,000,000円 | 社員1〜2名+アルバイト多数 |
| 食材仕入 | 月商の35〜45% | 仕入コスト上昇が品質低下の遠因に |
| **月間固定費合計(推定)** | **約400〜500万円** |
ロイヤリティ3%の特徴と落とし穴:
表面上は業界最安水準のロイヤリティ(3%)だったが、本部の仕入れコスト削減による食材品質の低下・集客減少を補うほどの競争力はなく、むしろ「本部収入が少ない=本部の投資体力が弱い」という構造問題に直結した。
ソース: https://www.fc-hikaku.net/ken_fc/1793, https://fc-soudan.com/fc_list/1591, https://maonline.jp/articles/mgfood_bunkruptcy_20200313
3. 店舗数・出店動向
| 時期 | 店舗数 | 状況・備考 |
|---|---|---|
| 2006年 | 1 | 千葉県流山市に1号店オープン |
| 2008年 | 約30 | 郊外居抜き物件活用モデルで急拡大 |
| 2010年 | 約100 | 「低コスト・コスパ重視」業態が郊外で人気 |
| **2012年** | **260店舗超(ピーク)** | **直営+FC合計。売上高225億円を突破** |
| 2013年 | 約220 | 内部告発ブログ拡散・ブランドイメージ悪化始まる |
| 2014年 | 約160 | ステーキガスト・いきなりステーキ等の参入で競合激化 |
| 2016年 | 約98 | 急激な縮小が続く |
| **2017年** | 約67 | **FCオーナー連続倒産が始まる** |
| 2019年7月 | 数十店舗 | ジー・テイスト(現焼肉坂井HD)へ事業譲渡 |
| 2020年3月 | - | 旧運営会社エムグラントフードサービス破産確定 |
| 2022年 | 5店舗 | 絶滅危機状態 |
| 2024〜2025年 | **3店舗** | **岩手・盛岡店、千葉・白井店、東京・蒲田店のみ** |
ピーク時(260店舗)から12年で99%消滅という業界史上稀に見る急激な崩壊事例。
縮小背景(詳細):
1. 競合激化: すかいらーく「ステーキガスト」(2010年〜)、ロイヤルホスト「カウボーイ家族」(2012年〜)、ペッパーフードサービス「いきなり!ステーキ」(2013年〜)の参入
2. 品質低下: コスト削減のため食材仕入れを低価格化。「肉がまずい」イメージが定着
3. FCオーナー連続倒産: 2017年に「社員独立制度」で独立した元社員経営のFC加盟店が相次いで倒産
4. 内部告発: 2013年頃にFC加盟オーナーによる内部告発がネット上に拡散
5. 社長の炎上発言: 井戸実社長のSNS・ブログでの問題発言が炎上を繰り返す
ソース: https://maonline.jp/articles/mgfood_bunkruptcy_20200313, https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%A0%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9, https://cyzowoman.jp/2024/10/post_481246_1.html
4. 収益モデル・オーナー収益の実態
モデルケース(旧・エムグラント時代の公表データ)
| 時期 | 月商 | 月次利益目安 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 最盛期本部提示(2010〜2012年) | 900〜1,000万円 | 推定150〜300万円 | 居抜き低コスト構造が機能した時期 |
| 競合激化後(2015〜2017年) | 400〜600万円 | 赤字〜ゼロ | 集客減少で損益分岐点を下回る |
| FCオーナー連続倒産期(2017年〜) | 大幅低下 | 赤字 | 多数のオーナーが廃業 |
| **現在(焼肉坂井HD運営・3店舗)** | **不明** | **残存店舗の実態は非公開** | 新規FC加盟募集なし |
利益構造(旧・推定)
投資回収期間(旧・本部提示と現実の乖離)
| 区分 | 本部提示 | 現実 |
|---|---|---|
| 最盛期 | 2〜3年 | 月商900万円達成なら実現可能だった |
| 競合激化後 | 提示根拠なし | 回収困難。多数が倒産 |
| **現在** | **FC加盟募集停止** | **新規加盟は推奨しない** |
損益分岐点(旧・推定)
| 月商 | 状況 | 備考 |
|---|---|---|
| 600万円以下 | 赤字 | 固定費(人件費・食材・家賃)を賄えない |
| 700〜800万円 | 損益分岐点 | 居抜き低コスト構造でこの水準 |
| 900万円以上 | 黒字 | 本部モデルケース水準(競合激化前) |
ソース: https://maonline.jp/articles/mgfood_bunkruptcy_20200313, https://moneytimes.jp/archives/8465
5. 本部サポート体制(失敗の分析として)
| 項目 | 旧・実態評価 |
|---|---|
| 開業前研修 | 実施していたが内容は不明。社員独立制度での独立者が主体 |
| SV訪問 | 実施していたが、食材品質問題への対応が不十分との指摘あり |
| 食材品質管理 | コスト削減優先で品質低下を招いた。本部の意思決定が失敗の核心 |
| 広告支援 | テレビCM等で一時期はブランド認知を向上させた |
| 危機対応 | FCオーナー倒産が続いた際の危機対応が不十分と批判された |
| 内部告発対応 | 2013年の内部告発拡散への対応が遅れ、ブランド毀損が拡大 |
本部失敗の本質的な分析:
1. ロードサイドの居抜き戦略(撤退ファミレス活用)は低コストで有効だったが、持続的な差別化要因にならなかった
2. 食材コスト削減を利益の源泉にしたが、品質低下が顧客離れを招き、コスト削減の恩恵を相殺した
3. 社員独立FCモデル(元社員を加盟者にする仕組み)は拡大を加速させたが、倒産時に連鎖的な店舗消滅をもたらした
4. 本部の投資余力の薄さ(資本金・体力の弱さ)が、競合対抗・ブランド再建に対応できなかった
ソース: https://washburn1975.hatenablog.com/entry/20130116, https://maonline.jp/articles/mgfood_bunkruptcy_20200313
6. オーナー・加盟者の評判
ポジティブ評価(最盛期・2010〜2013年頃)
ネガティブ評価(2013年以降・失敗の実態)
ソース: https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12182883712, https://washburn1975.hatenablog.com/entry/20130116, https://cyzowoman.jp/2024/10/post_481246_1.html
7. 競合他社との比較
| 項目 | ステーキけん(旧最盛期) | ステーキのあさくま | ブロンコビリー | ステーキガスト |
|---|---|---|---|---|
| 加盟金 | 約500万円(加盟募集停止) | 約350万円 | FC非募集 | FC非募集 |
| ロイヤリティ | 売上の3%(低い) | 売上の3% | FC非募集 | FC非募集 |
| 初期投資 | 2,000〜2,500万円 | 約1,790万円 | FC非募集 | FC非募集 |
| 現在の店舗数 | **3店舗(消滅危機)** | 約74店舗 | 約220店舗 | 約79〜85店舗 |
| 特徴 | ロードサイド居抜き・**ブランド終焉** | 老舗・安定成長 | 品質重視・堅実経営 | 大手直営 |
競合比較からの教訓:
ブロンコビリー・あさくまが品質重視・堅実経営で生き残った一方、ステーキけんはコスト削減・急拡大を優先してブランドを崩壊させた。
ソース: https://www.fc-hikaku.net/franchises/3024
8. リスク・撤退条件(反面教師としての分析)
| リスク | 深刻度(当時) | 実際に起きたこと |
|---|---|---|
| ブランド価値の毀損 | 極めて高 | 食材品質低下→「肉がまずい」イメージ定着→客離れの連鎖 |
| 本部の経営基盤の薄さ | 極めて高 | 資本金・体力不足で競合対抗・ブランド再建ができなかった |
| FCオーナーの連続倒産 | 極めて高 | 2017年以降、社員独立FCオーナーが連鎖倒産。店舗激減 |
| 競合による市場侵食 | 高 | ステーキガスト・いきなりステーキ等の参入で完全に競争力喪失 |
| 社長の言動によるリスク | 高 | 井戸実社長の炎上発言が繰り返されブランドイメージを毀損 |
撤退・破産の経緯
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 2019年7月 | ステーキけん事業をジー・テイスト(現焼肉坂井HD)へ事業譲渡 |
| 2020年2月28日 | エムグラントフードサービスが事業停止を発表 |
| 2020年3月16日 | 東京地方裁判所が破産手続開始決定 |
| 負債総額 | 約4億5,000万円(債権者約90名) |
| 売上高のピーク時 | 2012年:約225億円 |
| 破産時の売上高 | 2018年3月期:約24億3,000万円(ピーク時の10分の1) |
失敗パターン(業界への教訓として)
| パターン | 説明 | 業界への教訓 |
|---|---|---|
| 品質vs利益のトレードオフ | 食材コスト削減が品質低下を招き集客減少を引き起こした | 仕入れ削減は短期利益を生むが長期的なブランド毀損リスクがある |
| 社員独立FCの危うさ | 元社員をFC化して急拡大したが、倒産時の連鎖が本部に返ってきた | FC加盟者の財務体力・経営力の審査が拡大の質を決める |
| 競合対抗力の欠如 | 大手外食チェーンの同業態参入に対抗できなかった | FC本部の資本力・ブランド投資力が競合激化時の生命線 |
| 炎上リスク管理 | 経営者の問題発言が繰り返しブランドを傷つけた | トップの言動がブランドそのもの。情報発信の管理が必須 |
ソース: https://maonline.jp/articles/mgfood_bunkruptcy_20200313, https://alarmbox.jp/blog/?p=5928, https://moneytimes.jp/archives/8465
9. 採用・人材要件(現在の残存店舗)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現在の状況 | 残存3店舗(岩手・千葉・東京)での直営運営 |
| 採用形態 | 焼肉坂井ホールディングス傘下の直営店舗として採用 |
| 人員規模 | 推定5〜15名(社員1〜2名+アルバイト) |
| FC加盟募集 | **現在は募集停止と見られる** |
ソース: https://ys-holdings.co.jp/shop/14587/
10. SNS・ブランド力
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現在の認知度 | 「かつて存在した郊外チェーン」として認知。積極的なブランドPRはない |
| 復活の話題性 | 残存3店舗に「コアなファン」が残存しており、閉店報道のたびに話題に |
| 公式サイト | https://www.yakiniku.jp/steak-ken/ (焼肉坂井HD管理) |
| SNS | 積極的な発信なし |
| メディア露出 | ロケットニュース・CyzoWomanなどが「絶滅危機チェーン」として定期的に取り上げ |
ブランドの現状:
「懐かしのステーキけん」として話題になることはあるが、新たな集客に繋がる動きではない。残存3店舗のコアなファンが支持しており、独特の「クセ」のあるメニュー(食べ放題)がリピーターを生んでいる。
ソース: https://rocketnews24.com/2025/12/16/2616140/, https://cyzowoman.jp/2024/10/post_481246_1.html
11. 市場環境・業界動向
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ステーキ・ハンバーグ外食市場 | 数千億円規模。成熟市場で競争は激化 |
| 競争環境 | いきなりステーキ・あさくま・ブロンコビリー・ステーキガスト・牛角・焼肉チェーン等が競合 |
| 業界トレンド | テイクアウト需要増加、コスパ重視の業態が生き残り。品質志向への回帰傾向 |
| 物価高の影響 | 肉類仕入れコストの上昇が全業態に影響。低価格ステーキチェーンに逆風 |
| ターゲット顧客 | 30〜60代のファミリー層・夫婦。郊外ロードサイドの車利用客 |
「いきなりステーキ」との対比:
いきなりステーキも急拡大後に急縮小した類似事例として知られており、「安くて大量」の外食FCには脆弱性があることが業界的に確認されている。
ソース: https://maonline.jp/articles/mgfood_bunkruptcy_20200313, https://www.fc-hikaku.net/franchises/3024
12. JFA加盟状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| JFA正会員(旧エムグラント時代) | 加盟の有無は不明(小規模本部のため非加盟の可能性) |
| JFA加盟(現焼肉坂井HD) | 外食企業として加盟の可能性あり(要確認) |
注: JFA未加盟の場合、FC加盟者保護の観点でリスクが高まる。
ソース: https://ys-holdings.co.jp/company/profile/, https://www.jfa-fc.or.jp/
13. 融資・資金調達情報(歴史的記録として)
| 項目 | 内容(旧・エムグラント時代) |
|---|---|
| 必要自己資金 | 推定500〜800万円(初期投資の30〜40%) |
| 初期投資総額 | 2,000〜2,500万円 |
| 日本政策金融公庫利用 | 飲食業FCとして利用可能(旧条件) |
| 現在の状況 | FC加盟募集停止のため、融資の必要性自体がない |
反面教師としての融資教訓:
多数のFC加盟者が日本政策金融公庫等からの融資で開業し、その後の倒産・廃業時に債務を抱えた。初期投資が低く見えても(居抜き活用)、本部の経営基盤や競合環境の分析なしに融資を受けることのリスクを示す事例。
ソース: https://fc-soudan.com/fc_list/1591, https://maonline.jp/articles/mgfood_bunkruptcy_20200313
参考ソース(15件以上)
5. ステーキけん 店舗一覧
7. ステーキけんのエムグラントはなぜ倒産に追い込まれたか(MAonline)
8. ふらんす亭・ステーキけん元運営会社破産 売上225億円から転落(MONEY TIMES)
10. 残り3店舗で絶滅危機(CyzoWoman 2024年10月)
12. 久々に行ってみたら想定外のメニューに遭遇(ロケットニュース24 2025年)
13. FC内部告発(washburn1975ブログ 2013年)
14. 一時期話題になった「ステーキけん」はなぜ衰退したのか(Yahoo!知恵袋)
15. MFSが事業停止・破産へ(帝国データバンク・livedoor)
16. ステーキけんFC情報(fc-hikaku.net 旧記録)