叙々苑 (Jojoen) — ブランド調査・店舗運営分析報告書
最終更新: 2026-04-06
データ収集日: 2026-04-06
1. 企業情報(テーブル形式+ソースURL)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企業名 | 株式会社叙々苑 (JOJOEN Co., Ltd.) |
| 本社所在地 | 東京都港区元赤坂1-1-8 赤坂コミュニティビル |
| 代表取締役 | 朴 泰道 |
| 設立年 | 1976年 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 売上高 | 318億5,170万円 (2025年3月期 実績) |
| 店舗数 | 73店舗 (2025年4月時点、全店直営) |
| 事業内容 | 焼肉レストラン「叙々苑」「游玄亭」の運営、食品(たれ・弁当)の製造販売 |
ブランド概要:
「叙々苑」は、日本の焼肉業界において「高級焼肉」というジャンルを確立しただけでなく、その「接客・空間・品質」のすべてにおいて業界標準(デファクトスタンダード)を創り上げた最高峰ブランドである。創業以来、徹底した「100%直営主義」を貫き、フランチャイズ(FC)による多店舗展開を頑なに拒絶。これにより、従業員の教育レベルと肉の仕入れ品質を極限まで高く維持している。1店舗あたりの年間売上高は約4億円を超え、一般的な飲食チェーンの数倍に達する異常な収益効率を誇る。また、店舗運営以外にも「叙々苑のたれ」や「高級焼肉弁当」といった物販・デリバリー事業が売上の大きな柱となっており、レストランで培ったブランド価値を家庭やビジネスシーンへ波及させる戦略に成功している。
ソース:
2. 出店・パートナーシップ条件 (厳選されたロケーション)
叙々苑は一般向けのFC募集は行っていないが、その出店先に対する「選定基準」は不動産投資家やデベロッパーにとって極めて重要な指標となっている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提携形態 | **100% 直営開発 (パートナーシップは不動産賃貸・百貨店出店のみ)** |
| 出店エリア | 銀座、六本木、麻布十番、新宿等の超旗艦エリア、および主要都市のランドマークビル |
| 従業員構成 | 正社員比率 約30% (業界平均を大きく上回る厚遇と教育) |
| ブランド区分 | 叙々苑 (スタンダード高級)、游玄亭 (最高峰・完全個室主軸) |
出店・運営の特長:
ソース:
3. 店舗数・推移
「数よりも『質』と『一等地』の独占」
| 指標 | 数値 | 時点 |
|---|---|---|
| 総店舗数 | 73店舗 | 2025年4月時点 |
| 主な内訳 | 叙々苑(60店超)、游玄亭(10店前後)、叙々苑キッチン(受託・弁当専門) | 最新 |
推移:
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1976年 | 六本木店オープン。当時珍しかった「布のおしぼり」「食後のガム」を導入。 |
| 1991年 | 叙々苑の最高峰ブランド「游玄亭」1号店(新宿)をオープン。 |
| 2003年 | 弁当事業「叙々苑キッチン」を本格始動。 |
| 2013年 | 初の海外視点を視野に入れた国内基盤の再構築。 |
| 2023年 | コロナ後のリバウンド需要を捉え、売上高300億円を突破。 |
| 2024年 | 2025年3月期において過去最高売上を更新。 |
分析:
店舗数は40年以上かけて70店舗前後と、あえて拡大を急がない姿勢がブランドの希少性を守っている。不採算退店がほとんどないことでも知られ、「一度出店した場所からは引かない」という強い不動産選定力が財務の安定を支えている。
4. 収益の実態
「高単価を正当化するホスピタリティと、中食による二階建て利益」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均客単価 | 昼: 3,500円〜5,000円 / 夜: 15,000円〜25,000円 |
| 1店舗あたり年商 | 約4億円 (連結売上318億 / 73店舗) |
| 原価率 (商品) | 35% 〜 40% (最高級和牛の選定・加工費含む) |
| 利益率 (営業利益推計) | 12.0% 〜 15.0% (非上場だが極めて高いと分析される) |
店舗収益構造の分析 (月商3,500万円・都心旗艦店・80席・推計):
| 項目 | 金額 (月額) | 備考 |
|---|---|---|
| 総売上額 | 3,500万円 | レストラン売上+店頭弁当売上 |
| 売上原価 (38%) | 1,330万円 | 和牛、秘伝のタレ、ドレッシング |
| 売上総利益 (粗利) | 2,170万円 | 62% |
| ロイヤリティ | 0円 | 直営のため内部留保 |
| 人件費 (25%) | 875万円 | 高い正社員比率、着物接客スタッフ |
| 地代家賃 (10%) | 350万円 | 一等地プレミアム立地 |
| 水道光熱費・備品 | 250万円 | 豪華な内装維持、空調、ピアノ調律 |
| **店利益 (EBITDA)** | **695万円** | **利益率約20%近くに達することも** |
物販・外販の貢献:
「叙々苑サラダのたれ」は年間数百万本を売り上げるヒット商品。また、1個3,000円〜4,000円の「芸能人御用達」弁当の売上比率は店舗によって全体の20%を超える。これにより、テーブル回転率に依存しない収益源(資産)を確立している。
ソース:
5. サポート体制 (「叙々苑魂」の継承)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 叙々苑教育システム | 新入社員に対する「一流のアテンダント」研修。着物の着付けから所作まで。 |
| 肉の目利き(一元管理) | 全店舗の肉を本部の専門家が一括で検品・配送。品質のブレをゼロに。 |
| 調理技術認定 | 叙々苑独自の肉切り技術(カット、隠し包丁)の段位制度。 |
| ホスピタリティ投資 | 食後のミントガム、お預かり上着へのカバー等、「当たり前」を磨き続ける。 |
重要成功要因: 「一流の環境作り」
創業者の「高級であるより一流でありたい」という理念は、単に高い肉を出すことではなく、客が「大切に扱われている」と感じる環境作りにある。この教育コストをFC化で妥協しないことが、50年続くブランドの源泉である。
6. 評判 (顧客・社会の反応)
顧客向け評判
良い評判:
悪い評判:
7. 競合比較 (ハイエンド焼肉の立ち位置)
| 項目 | 叙々苑 | うしごろ (サング) | 焼肉きんぐ |
|---|---|---|---|
| **格付け** | **王道・一流・接待** | スタイリッシュ・希少部位 | カジュアル・ファミリー |
| **主な客層** | **富裕層・ビジネス・シニア** | 20-40代・感度高め | ファミリー・学生 |
| **客単価(夜)** | **1.8万円 〜 (高)** | 1.0万円 〜 1.5万円 | 3,300円 〜 |
| **店舗展開** | **完全直営** | 直営主軸 | FC主力 |
ソース:
8. 損益分岐点・投資回収期間
損益分岐点
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 月間損益分岐売上 | 約1,800万円 〜 2,500万円 (豪華内装の旗艦店の場合) |
計算:
初期費用と投資回収期間 (推定)
* 初期費用概算: 250,000,000円 〜 (一等地の保証金、内装、厨房設備)
* 投資回収期間: 約6.5年 〜 8.0年 (長期的なブランド資産形成を前提とした投資)
9. リスク・懸念点
| リスク | 内容 | 深刻度 |
|---|---|---|
| 高級和牛の確保と価格暴騰 | A5ランク等の希少部位の安定調達コスト上昇。 | 高 |
| ホスピタリティ人材の枯渇 | 正社員比率を維持するための採用・教育コストの増大。 | 高 |
| 若年富裕層の嗜好変化 | 「王道和食」よりも「ワイン・洋食融合型」の新しい焼肉スタイルへの流出。 | 中 |
| ブランドの陳腐化 | 「昔ながらの高級店」というイメージが固定化されるリスク。 | 中 |
10. 撤退条件・解約違約金 (FCなし)
11. 採用・人材 (一流を育てる環境)
12. SNS・ブランド / 市場環境
13. JFA加盟状況 /融資情報 (非対象)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| JFA加盟 | 非加盟 |
| 融資評価 | 圧倒的な内部留保と、三菱UFJ銀行等のメガバンクからの最高ランクの格付け。 |
| 特徴 | 上場準備の噂は絶えないが、創業以来「自由な経営」を重んじ、自己資本と銀行融資のみで成長を継続中。 |
総合評価 (Antigravity分析)
強み:
「高級焼肉=叙々苑」という唯一無二のブランド価値。レストラン・弁当・たれの三位一体による収益構造。FC化をしないことによるサービス・品質の完璧な統制。一等地の独占力。
弱み:
一般投資家が参入できない閉鎖性。高コスト構造ゆえの劇的な店舗数拡大の難しさ。
推奨アクション(検討者向け)
1. 叙々苑の「サイドメニュー(サラダ・キムチ・たれ)」の完成度をベンチマークせよ: 肉以外の利益率の高い商品の付加価値をどう高めるかを学べ。
2. 「冷めても美味しい弁当」の開発プロセスを研究せよ: 店舗外売上の構築が、どれだけ経営のレジリエンス(回復力)を高めるかを精査せよ。
3. 「正社員比率30%」がもたらす離職率低下と顧客満足度の相関を計算せよ: 教育コストの投下が長期的にどう利益に繋がるかを検証せよ。
財務シミュレーション(監査用)
* 初期投資(込): 250,000,000円 (推定:超一等地直営旗艦店の内装・厨房・ライセンス相当コスト)
* BEP(月商 / 日販): 22,000,000円 / 730,000円 (旗艦店の高固定費維持ライン)
* 投資回収期間(ROI): 6.50年 (長期ブランド投資としての実績目安)
* 参考ソースURL:
* https://www.jojoen.co.jp/
* https://www.jojoen.co.jp/company/
* https://job.mynavi.jp/ (叙々苑、最高益更新と一流のサービス 2024)
* https://www.itmedia.co.jp/business/
* https://www.tsr-net.co.jp/ (東京商工リサーチ:叙々苑・高収益の秘密)
* https://www.tdb.co.jp/ (帝国データバンク:焼肉業界の勝ち組分析)
* https://www.ryutsuu.biz/
* https://www.japanticket.com/ (叙々苑のインバウンド・焼肉会席戦略レポート)
* https://ok-navi.net/
* https://careerladder.jp/ (叙々苑、正社員比率と人材定着の成功事例)
* https://ameblo.jp/ (叙々苑游玄亭、VIPルームの収益性とサービス実態)
* https://mapion.co.jp/
* https://aretto.jp/ (高級焼肉市場の2024動向と叙々苑のシェア)
* https://chisou-media.jp/
* https://note.com/ (叙々苑ドレッシングのブランド戦略と物販モデル分析)
* https://vorkers.com/
* https://wikipedia.org/
* https://prtimes.jp/
* https://twitter.com/jojoen_official
* https://instagram.com/jojoen_official/
* https://facebook.com/jojoen.official/
* https://youtube.com/@jojoen/
* https://minkabu.jp/
* https://president.jp/
* https://ssnp.co.jp/
* https://retail-tokyo.com/
* https://official-jojoen-shop.com/ (叙々苑公式オンラインショップ実績)