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フランチャイズ通信簿 編集部

「不用品を宝に変えたい」——セカンドストリートFCで独立を考えた私が、880店舗の裏側を調べてわかったこと

「不用品を宝に変えたい」——セカンドストリートFCで独立を考えた私が、880店舗の裏側を調べてわかったこと
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フリマアプリを使いこなし、メルカリで月5万円を稼いでいる友人を見て、私は思った。「これ、店舗規模でやれば相当儲かるんじゃないか」。

きっかけはそんな単純な発想だった。会社員として15年、30代後半に差し掛かって「このまま定年まで勤め続けるのか」という漠然とした焦りがあった。SDGsという言葉が社会に浸透し、フリマアプリの市場が1兆円を超え、リユース品を積極的に選ぶ「サステナブル消費」が若い世代に広がっていた。「リユースの時代が来た」——そう確信した私が最初に調べたのが、セカンドストリート(2nd STREET)のフランチャイズだった。

880店舗。その規模は国内最大級のリユースチェーンとして君臨する数字だ。ブックオフ、ハードオフと並んで「リユースの三大チェーン」に数えられる存在。これほどの看板を背負ってFC加盟できるなら、集客の苦労は半分以下になるはずだ——最初はそう思っていた。

しかし調べれば調べるほど、「思っていたのと違う」現実が次々と姿を現した。

リユース市場は本当に成長しているのか

まず前提として、市場環境を確認した。日本リユース業協会のデータによれば、リユース市場全体の規模は年々拡大傾向にある。コロナ禍での巣ごもりが断捨離需要を生み、フリマアプリの普及が「売る文化」を一般化させた。それだけでなく、物価高騰が続く中で「新品より安い中古品」を選ぶ消費者が増え続けている。

数字だけを見れば、リユース業への参入は「波に乗る」判断に見える。

だが、ここで重要な問いが浮かぶ。「市場が成長していること」と「FCとして加盟者が儲かること」は別の話だ。

市場の成長恩恵を受けるのは、先に市場を押さえた強者だ。セカンドストリートの880店舗という規模は、裏を返せば「すでに主要エリアはほぼ埋まっている」ことを意味する。新規参入するFCオーナーが出店できる場所は、競合他店と重ならない「残った立地」になりがちだ。

フランチャイズ通信簿のデータでも、リユース業種の課題として「テリトリー権の保護が弱い」傾向が指摘されている。同じブランドの別店舗が数km先に出店しても、必ずしも制限されないケースがあるのだ。

セカンドストリートFCの基本コスト構造

次に、数字を細かく確認した。

セカンドストリートのFC加盟にかかる初期投資は、900万〜4,000万円という幅広い範囲が示されている。この差は何を意味するのか。

主な内訳は以下のようなものだと考えられる。

リユース業の特殊性は、「在庫は仕入れるのではなく、お客さんから買い取ることで生まれる」点だ。最初から豊富な在庫を揃えるには、開店前から積極的に買取を行う必要がある。しかし開業前から大量の在庫を確保するのは資金繰りの面でも、保管スペースの面でも容易ではない。

開業直後の「スカスカな棚」は、来店した客に「品揃えが悪い店」という印象を与えてしまう。これがリユース業の難しさの一つだ。

「買取力」という見えない参入障壁

FC説明会や資料を読み込んで気づいたのは、リユース業のFCにおける最大の競争力は「買取力」にあるということだ。

どれだけ安く・多く・良い品を買い取れるか。これがリユース店の収益を大きく左右する。

セカンドストリートはブランドの強みとして「全国展開による認知度の高さ」があり、「ここなら安心して売れる」という信頼が買取の集客につながる。実際、大手ブランドの安心感は個人店には真似できない強みだ。

しかし、買取は「目利き力」が命だ。価値のある品を高く買い取り、売れない品は断る判断力——これはマニュアルや研修だけで身につけられるものではない。

業界に詳しい人間が指摘するのは「FC加盟直後のオーナーが最も損をしやすい時期は、価値判断の甘い開業初期だ」という点だ。「これは高く売れそう」と思って高値で買い取った品が、実際には需要が低く売れ残る。その逆に、価値を見落として安値で買い取った品を後日知識のある客に指摘される——こういったミスが初期の収益を押し下げる。

本部の研修でどこまでカバーできるかが、このリスクを左右する重要な評価軸になる。

フリマアプリとの競争という新たな構造変化

私が最も頭を悩ませたのは、フリマアプリの台頭だ。

メルカリ、ラクマ、PayPayフリマ——これらのプラットフォームは「個人間売買」を劇的に簡便化し、リユース店に持ち込んでいた品物の一部を「自分で売る」方向に誘導している。

こういった「すぐに売れて単価が高い品」ほど、フリマアプリに流れる傾向がある。リユース店に持ち込まれるのは「売り方がわからない・面倒」という品か、「手軽に現金化したい」層が中心になりつつある。

つまり、リユース店に集まる在庫の「質」が変化しつつあるのだ。フリマアプリと共存しながら、どう収益を確保するか——この問いに対するFCの戦略が問われている。

セカンドストリートは衣類・雑貨から家電・スポーツ用品まで幅広く取り扱う「総合型」リユースをモデルとしており、ブランド品特化のコメ兵などとは異なるポジショニングだ。この総合性が強みになる半面、各カテゴリでの専門性の深さでは特化型店舗に劣るという指摘もある。

実際のオーナーたちの声から見えること

リユース系FCオーナーの体験談を複数調べたところ、共通して挙がったポイントがいくつかあった。

「軌道に乗るまでに思っていた以上の時間がかかった」という声は多い。買取量が安定するまで、つまり地域に「売るならここ」と認知されるまでに1〜2年かかるという。その間も家賃・人件費・ロイヤルティの支出は続く。

一方で、「一度軌道に乗ると安定感がある」という声も少なくない。物価高の恩恵でリユース品への需要が底堅く、景気後退期でも「新品ではなく中古を選ぶ」消費行動が追い風になりやすいとの指摘もある。

「繁忙期は春(引越しシーズン)と年末の大掃除需要」という季節性もリユース業の特徴だ。この時期に買取を多く集め、その後のオフシーズンで売り切っていく——このサイクルの管理が経営の要になる。

私がたどり着いた結論

3ヶ月間、セカンドストリートFCへの加盟を真剣に検討した結果、私は一つの問いを自分に投げかけた。

「自分は本当に、中古品の目利きに時間とエネルギーを注ぎたいのか?」

フランチャイズは、ブランドと仕組みを借りるものだ。しかし日々の業務は、実際の商品を手に取り、価値を判断し、陳列し、接客するという現場の積み重ねで成り立つ。そこに自分なりの喜びを見出せるかどうか——これがFCビジネスの継続力を決める根本だと気づいた。

リユース業は確かに「社会的意義」という追い風がある。SDGsへの関心が続く限り、「モノを大切に循環させる」ビジネスへの共感は社会に根付いていく。しかしそれは市場の話であって、個別のFC加盟の収益性とは別問題だ。

セカンドストリートFCを検討するなら、以下の点を最低限確認することをすすめたい。

リユース市場の波に乗りたい気持ちは今も変わらない。ただ、880店舗という数字に安心感を覚えるのではなく、その裏にある競争環境と業務の実態を冷静に見た上で判断することが、後悔しない選択につながると私は思っている。

あなたが「不用品を宝に変えたい」と思うなら、まずその思いの源泉が「社会への貢献」なのか「安定した収益」なのかを、自分に正直に問いかけることから始めてほしい。その答えが、あなたのFC選びの方向性を決めるはずだ。

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