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フランチャイズデータバンク 編集部

ロイヤリティ「売上比率型・固定額型・粗利分配型」——計算方式の違いで年間損益が激変する

ロイヤリティ「売上比率型・固定額型・粗利分配型」——計算方式の違いで年間損益が激変する
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「ロイヤリティは売上の5%です」——説明会でそう聞いて、ざっくり「毎月の売上の5%か」と計算した。でも、加盟後に渡された明細を見たとき、思っていた数字と全然違っていた——。

FC加盟の相談を受けていると、こういった話をよく耳にします。ロイヤリティの「計算方式」は3種類あり、同じ「5%」という数字でも何に対してかけるかによって、実際に支払う金額は大きく変わります。

月商300万円の店で試算すると、計算方式によって年間のロイヤリティ総額が100万円以上変わることがあります。これはオーナーの可処分所得に直撃する話です。加盟前に必ず理解しておくべき、ロイヤリティ計算の本質を整理します。

3種類のロイヤリティ計算方式を整理する

フランチャイズのロイヤリティ計算方式は、大きく3つに分類されます。

① 売上比率型(売上歩合型)

月の売上高に対して一定のパーセンテージをかける最もシンプルな方式。飲食系のフランチャイズに多く見られます。「売上の3%」「売上の5%」といった形で提示されます。

② 固定額型(定額型)

売上に関係なく、毎月一定額を支払う方式。ハウスクリーニングや一部のサービス系FCでよく使われます。「月額15万円」のように提示されます。

③ 粗利分配型(チャージ型)

売上から原価(仕入れ)を引いた「粗利益」に対してパーセンテージをかける方式。コンビニエンスストアのほとんどがこの方式を採用しており、「チャージ」とも呼ばれます。

一見シンプルに見えますが、どの方式かによって実際の支払額は業種・売上規模・原価率によって大きく変わります。

売上比率型:わかりやすいが、利益率の低い業種では重くなる

売上比率型は計算が簡単です。月商300万円で「売上の5%」なら、ロイヤリティは15万円。これは直感的に理解しやすい。

しかし問題は、売上が上がれば上がるほどロイヤリティも増えるという構造です。

繁盛している月ほど本部に支払う額が増えます。もちろん利益も増えているので単純に損とは言えませんが、原価率の高い業種では「儲けの大半を持っていかれる」という感覚になることがあります。

例えば飲食業で原価率40%の場合、月商300万円の粗利は180万円。そこから人件費・家賃・光熱費・食材廃棄ロスなどを引いたら手元に残るのが30〜50万円というケースは珍しくありません。そこからさらにロイヤリティ15万円を支払うと、経営の余裕がほぼゼロになります。

売上比率型は「良い月も悪い月も同じパーセンテージ」なので、不振の月でも容赦なく徴収される点も見落とせません。

固定額型:安定しているが、立ち上げ期は資金を圧迫する

固定額型は毎月一定額を支払うため、予算が立てやすいのがメリットです。「月額15万円」と決まっていれば、資金計画に組み込みやすい。

売上が伸びてもロイヤリティは増えません。これは大きな特徴です。月商が200万円でも400万円でも、本部への支払いは15万円のまま。繁盛するほど手元に残る割合が増える仕組みです。

一方で、売上が低い月でも支払い義務は変わりません。開業直後の売上が上がりきっていない時期や、閑散期に資金繰りが苦しくなるリスクがあります。

固定額型FCに加盟する場合は「損益分岐点の月商」をしっかり計算することが重要です。月額15万円のロイヤリティが発生するなら、それが経営を圧迫しない売上水準まで最低でも3〜6ヶ月以内に持っていけるかどうかを事前に見極める必要があります。

粗利分配型:コンビニ型の本質——計算が複雑な分だけ、リスクも深い

粗利分配型は3つの中で最も複雑です。コンビニFCで広く採用されているこの方式は「チャージ率」という言葉で表現されることが多く、単純に「何%」と言われてもピンとこないケースがほとんどです。

仕組みを簡単に説明すると:

> 粗利益(売上 − 仕入れ原価)× チャージ率 = ロイヤリティ

例えば、月商500万円、原価率70%(コンビニの場合、原価+廃棄ロスを含む)の場合:

月商500万円で、75万円がロイヤリティとして持っていかれる計算になります。

ここに人件費・光熱費・リース費用・ATM管理費などが加わると、残りはかなり少なくなります。コンビニFCが「24時間365日働いても思ったより残らない」と言われる背景には、この粗利分配型の計算構造があります。

さらに深刻なのは、廃棄ロスの扱いです。廃棄した商品の原価は仕入れに計上されるため粗利を押し下げますが、コンビニのチャージ計算は廃棄ロスを含む粗利ベースで行われる本部もあります。廃棄が多い月はロイヤリティも計算上少なくなりますが、廃棄自体のコストはオーナー負担という問題が残ります。

同じ月商300万円でも年間損益が200万円以上変わる試算

月商300万円の飲食FC(原価率35%)でシミュレーションしてみます。

| 方式 | 計算 | 月額ロイヤリティ | 年間ロイヤリティ |

|------|------|-----------------|-----------------|

| 売上比率型5% | 300万 × 5% | 15万円 | 180万円 |

| 固定額型 | 定額 | 10万円 | 120万円 |

| 粗利分配型30% | 195万 × 30% | 58.5万円 | 702万円 |

粗利分配型がこのケースでは突出して高くなります。ただし、粗利分配型はコンビニなど高回転ビジネスを前提に設計されており、飲食業ではあまり採用されません。あくまでも方式の違いによる影響を示すための試算です。

実際には売上比率型と固定額型の差だけでも年間60万円になります。この差が積み重なると、5年間で300万円の損益差になります。

加盟前に確認すべき3つのこと

ロイヤリティ計算方式について、加盟前に必ず確認すべき点を整理します。

1. 計算の「ベース」は何か

売上なのか粗利なのか。粗利の場合は廃棄ロスをどう扱うか。「5%」という数字だけでなく、何にかけるのかを確認してください。

2. 最低ロイヤリティの設定はあるか

一部のFCでは「売上比率型だが最低月額○万円」という最低保証が設定されています。売上が極端に低い月でも一定額が発生します。開業直後は要注意です。

3. 将来の変更条項はあるか

契約期間中にロイヤリティ率を変更できる条項が契約書に含まれていないか確認してください。過去には本部都合でロイヤリティ率を引き上げ、加盟者が集団で訴訟を起こした事例もあります。

フランチャイズのロイヤリティは「月何パーセント」という数字より、どのように計算されるかの構造を理解することがはるかに重要です。

説明会では「売上の○%です」とサラッと言われることが多いですが、実際の計算書や既存オーナーへのヒアリングを通じて、自分の想定売上規模で年間いくら払うことになるのかを試算してから判断してください。

フランチャイズ加盟の本質的なリスクは、ブランドや立地よりも、見えにくい費用構造の中に隠れていることが多いのです。

フランチャイズデータバンクでは、1,122以上のFCブランドの加盟金・ロイヤリティ・評判を中立的にまとめています。加盟前の情報収集にぜひご活用ください。

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