フランチャイズ説明会で必ず聞くべき15の質問リスト
はじめに
フランチャイズ説明会は、加盟者候補に向けた「プレゼンテーションの場」です。本部は最良の情報を前面に出し、潜在的なリスクを積極的に開示しないことが多いとされています。
だからこそ、参加者側から能動的に質問を投げかけることが重要です。本記事では、説明会で必ず確認しておくべき15の質問を5つのカテゴリに整理しました。本部の回答内容だけでなく、その態度や回答の丁寧さも、「信頼できる本部かどうか」を判断する材料になります。
本部が答えを避けたり、曖昧にする質問ほど、実は重要な情報を含んでいます。
カテゴリ1:お金(費用・収益)
Q1. 初期費用の全額を、項目ごとに教えてください
「加盟金◯◯万円〜」という表記には、研修費・機材費・保証金・物件取得費用などが含まれていない場合があります。「総額でいくらかかるか」を項目別に確認し、漏れがないかチェックしましょう。
確認すべき費用項目の例:
- 加盟金・研修費
- 保証金(返還条件も確認)
- 機材・設備費・初期在庫費
- 内装・改装費(上限は誰が決めるか)
- 開業準備の人件費・交通費・広告費
Q2. ロイヤリティはどのように計算しますか?最低保証額はありますか?
ロイヤリティの計算方式は「売上の◯%」「粗利の◯%」「固定月額◯万円」など本部によって様々です。売上が低い月でも固定額を支払う仕組みになっていないか、最低保証額の設定があるかを確認することが重要です。
Q3. モデル収支の前提条件を詳しく教えてください
「月商◯◯万円・営業利益率◯◯%」というモデル収支には必ず前提があります。「何坪の店舗か」「スタッフ何人体制か」「稼働率は何%か」「開業◯か月目以降の数字か」などを確認し、自分の開業予定条件と照らし合わせましょう。
カテゴリ2:サポート
Q4. 開業前の研修は何日間で、どのような内容ですか?
研修期間は1週間〜3か月とさまざまです。座学だけか実地研修があるか、本部直営店での研修機会はあるかなどを確認しましょう。研修費が初期費用に含まれているか別途必要かも確認が必要です。
Q5. スーパーバイザー(SV)の訪問頻度と、訪問時の支援内容を教えてください
SVは加盟店を定期的に巡回して経営支援を行う担当者です。訪問頻度(月1回か四半期に1回か)と、訪問時の具体的な支援内容(売上分析・スタッフ指導・改善提案等)を確認しましょう。SV1人が担当する加盟店数も、サポートの質を推測する材料になります。
Q6. 開業後にトラブルが起きたとき、誰にどう連絡しますか?
緊急時の連絡体制(24時間対応か、営業時間内のみか)と、担当窓口の明確さを確認しましょう。「何でも本部に相談できます」という抽象的な回答より、具体的な対応フロー・担当者・連絡先を聞いてみることをお勧めします。
カテゴリ3:撤退条件
Q7. 契約期間は何年で、更新時の条件はどうなりますか?
多くのFCは5〜10年の契約期間を設定しています。更新時に加盟金の再支払いが必要なケース、条件が変更されるケースなど、本部によって扱いが大きく異なります。
Q8. 中途解約した場合の手続きと違約金を教えてください
病気・家族の事情・業績悪化など、様々な理由で中途解約を考える状況はあり得ます。違約金の計算方式(残存期間のロイヤリティ相当額など)と、解約が認められる条件を事前に把握しておくことが重要です。
Q9. 競業避止義務の範囲を具体的に教えてください
契約終了後、同業・類似業種に従事できない期間・地域の範囲を確認します。「退店後◯年間・半径◯km以内は同業禁止」といった条件は、退店後の選択肢を大きく制約します。
カテゴリ4:実績
Q10. 直近3年間の新規開店数と閉店数を教えてください
加盟店が増えているか減っているかは、事業の健全性を示す重要な指標です。閉店数が開店数より多い場合は、何らかの構造的な問題がある可能性を示唆しています。閉店した理由(個人事情か、収益課題か)まで聞くと参考になります。
Q11. 加盟店の平均月商と、下位20%の月商を教えてください
「平均月商◯◯万円」の数字は、成功店が平均を押し上げている場合があります。中央値や下位層の数字を聞くことで、より現実的な姿が見えます。この質問に対して回答を避ける場合は、その背景を考える材料になります。
Q12. 加盟店の平均営業年数を教えてください
平均営業年数が短い場合、早期撤退が多いことを示す可能性があります。長期的に運営できている加盟店の割合と、その特徴を聞いてみることも有効です。
カテゴリ5:リスク
Q13. テリトリー(専用商圏)の設定方法と、他の加盟店との距離規定を教えてください
テリトリーが書面で保証されているか、本部が同一商圏に別の加盟店を出店できるかを確認しましょう。明確な書面保証がないと、後から近隣に競合が出店した際に保護されないリスクがあります。
Q14. 本部から一方的に契約解除される条件は何ですか?
加盟者だけでなく、本部も契約解除権を持っていることが多いです。「売上基準を下回り続けた場合」「ブランド基準を満たさない場合」など、解除条件の具体的な基準を確認してください。
Q15. 加盟店との訴訟・仲裁・クレームの有無と、直近の件数を教えてください
訴訟実績は潜在的なリスクを測る参考情報です。ゼロが理想ですが、事業規模が大きければ件数が出ることもあります。重要なのは件数そのものより、原因と本部の対応姿勢です。
回答を評価する3つのポイント
質問を投げかけた後、以下の観点で本部の回答を評価してください。
- 即答できるか:基本情報に即答できない本部は、加盟後のサポート対応にも不安が残ります
- 具体的な数字があるか:「しっかりサポートします」という定性的な回答より、「SV訪問は月1回・担当店舗数は15店舗」という具体的な数値を引き出せるかが重要です
- 不都合な情報も開示するか:閉店数や訴訟について隠したり誤魔化す姿勢を見せる場合は、特に慎重な対応が必要です
説明会参加前の準備
- 15の質問をプリントして持参し、メモを取る
- 複数の本部の説明会で同じ質問を投げかけ、回答を比較する
- 口頭回答は証拠になりにくいため、重要な回答は「書面で確認させてください」と伝える
まとめ
15の質問は、加盟を断るためではなく「正しい判断をするため」のものです。良い本部ほど、こうした質問に誠実かつ具体的に回答できます。説明会の前にこのリストを手元に置き、必ずメモを取りながら参加してください。複数の本部を同じ質問リストで比較することで、客観的な判断材料が揃います。
FAQ
Q1. 質問しすぎると、加盟を断られたり嫌われたりしませんか?
A. 誠実な本部であれば、真剣に検討している候補者からの質問を嫌がることはありません。むしろ「しっかり調べる人」として評価されることが多いとされています。質問に対して回答を避けたり不機嫌な反応をする本部は、それ自体が重要な判断材料になります。
Q2. 説明会の場で全ての質問に答えてもらえない場合はどうすればいいですか?
A. 「後日書面で回答いただけますか」と依頼しましょう。口頭回答は証拠になりにくいため、重要な回答はメールや書面で残すことをお勧めします。書面での回答を拒否する場合は慎重に考えてください。
Q3. 15問すべて聞くと時間が足りない場合、優先すべき質問はどれですか?
A. 最優先は「初期費用の全額(Q1)」「ロイヤリティ計算(Q2)」「中途解約の違約金(Q8)」「直近3年の閉店数(Q10)」の4問です。これらは判断を大きく左右する情報です。残りの質問は2回目の面談や書面で確認しても構いません。