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フランチャイズ通信簿 編集部

FC選びで誰も教えてくれない「季節リスク」——業種別・月別の売上変動と、加盟前にすべき手元資金の計算

FC選びで誰も教えてくれない「季節リスク」——業種別・月別の売上変動と、加盟前にすべき手元資金の計算
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「1月と2月は、正直しんどかった」

そう語ってくれたのは、埼玉県内でアイスクリームFCを営む40代の男性オーナーだ。夏場は行列ができるほど賑わう店舗も、真冬は1日の客数が10人を割ることがある。「説明会では年商の目安を教えてもらったけれど、月別の内訳まで細かく聞かなかった。加盟してから初めて、冬の怖さを知った」と彼は言う。

フランチャイズ加盟を検討するとき、多くの人は「月収いくらになるか」を考える。だが本当に問うべきは、「最も稼げない月でも、手元資金がいくら残るか」ではないだろうか。

サラリーマンのように毎月ほぼ均等な収入が入ってくるビジネスはほとんどない。FCオーナーになるということは、「収入の波」を自分で管理しなければならないということでもある。

業種によって、「山」と「谷」の季節がまったく違う

フランチャイズの売上変動を考えるとき、まず業種ごとの特性を理解することが重要だ。

アイスクリーム・かき氷系は最も季節変動が激しい業種のひとつだ。サーティワンアイスクリームは全国1,200店舗超のFC比率95%以上を誇る優良チェーンだが、夏と冬では売上が2〜3倍近く変わることも珍しくない。初期投資は3,500万〜6,000万円と決して安くなく、冬の固定費(家賃・人件費・ロイヤルティ)を稼げる夏に蓄えておく必要がある。

コインランドリーは「季節変動が少ない安定ビジネス」として紹介されることが多いが、実態はやや違う。梅雨や秋雨の時期に利用者が増える一方、乾燥しやすい冬は洗濯物の乾きが早く、屋外でも洗濯機を回せる家庭が増えるため売上が伸び悩む傾向がある。マンマチャオ(600店舗以上・初期投資3,000〜5,000万円)のような大手FCでも、月別収支のシミュレーションは必須だ。

飲食FC全般は、ゴールデンウィーク・夏休み・年末年始が繁忙期で、1月・2月が最も厳しい月になりやすい。やきとり大吉(700店・初期投資1,350〜1,550万円)のような居酒屋系は忘年会シーズンに偏った収益構造を持つことも多く、2月の売上は12月の半分以下になることもある。

「波が小さい業種」には共通点がある

では、季節変動が小さいFCとはどのような業種なのか。

学習塾・教育系は比較的安定している。公文式(60万〜300万円・国内外8,400拠点)や明光義塾(初期投資2,000〜3,500万円・1,800教室以上)は、生徒が毎月通ってくる「サブスクリプション型」の収益構造を持つ。もちろん春の入会シーズンや夏期講習が繁忙期になるが、月収の底値が大きくは崩れない。

コンビニエンスストアは24時間365日対応という性質上、季節変動が最も小さい業種だ。セブン-イレブン(21,327店)、ファミリーマート(16,252店)、ローソン(7,000店超)の大手3社は、熱中症対策グッズや年賀状印刷など、季節商品を次々に入れ替えることで年間を通じて売上を維持している。ただし初期投資(150万〜1億円超)と拘束時間の長さ、本部への依存度の高さは別途考慮が必要だ。

ハウスクリーニング・家事代行は春の引越しシーズンと年末大掃除シーズンが繁忙期になるが、一般清掃の定期契約を獲得することで季節の谷を埋められる。初期投資が低めな業種でもあるため、リスクは相対的に小さい。

閑散期の「損益分岐点」を必ず計算しておく

季節変動があること自体は問題ではない。問題は、閑散期でも固定費を賄えるかどうかだ。

加盟前に試算しておくべきポイントは以下の3つだ。

特に飲食系FCでは、夏に稼いだ利益を冬に食いつぶす構造が珍しくない。「年間黒字でも月次は赤字」という状況が続くと、資金繰りが苦しくなって閉店を余儀なくされるケースもある。

FC説明会で「月別売上データ」を必ず聞く

問題は、FC本部の説明会では「年間売上目安」や「月商モデル」は示されても、季節変動の詳細を自発的に開示してくれる本部が少ないことだ。

質問するなら、こう聞いてみてほしい。

「月別の売上分布を、実際の加盟店データで見せてもらえますか?特に最も売上が低い月と高い月の差を教えてください」

この質問に対して「個別のデータは…」「加盟後に詳しくご案内します」と濁す本部には要注意だ。中立的な情報を求めているのに答えられないなら、それ自体が判断材料になる。

また、フランチャイズ開示書面(法定開示書面)には既存加盟店の財務情報が含まれていることがある。これを読み込み、最低売上の店舗と最高売上の店舗の差を比較するだけでも、変動幅の目安がつかめる。

「繁忙期に稼ぎ、閑散期に耐える」を設計できるか

FCオーナーとして成功している人に共通するのは、季節変動を「想定の範囲内」として対処できることだ。繁忙期に利益を蓄え、閑散期の固定費を確保し、さらに次の設備投資に回せる余裕があること——これが「持続可能なFC経営」の基礎だ。

季節リスクは、業種選びの段階で大きく変えられる。どれだけ魅力的なブランドでも、自分の資金力や地域特性と合わない季節変動パターンを持つFCに加盟すれば、最初の冬が経営の試練になりかねない。

加盟説明会の前に、ぜひ一度「この業種の売上が最も落ちる季節はいつで、そのとき自分の手元資金はどうなっているか」を想像してみてほしい。その問いに答えられるようになってから、説明会の椅子に座ることをおすすめしたい。

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