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フランチャイズ通信簿 編集部

フランチャイズを閉店した後に残るもの——「借金・競業避止・原状回復」3つの現実

フランチャイズを閉店した後に残るもの——「借金・競業避止・原状回復」3つの現実
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「もうダメだと思ったとき、『閉めれば終わる』と信じていました」

ある元FCオーナーはそう語る。飲食FCに加盟して3年。売上は開業当初の半分以下になり、毎月の赤字を貯金で補填し続けた末の決断だった。

しかし実際には、閉店はゴールではなかった。店を閉めた後から、本当の問題が始まったのだ。

フランチャイズに関する情報は「加盟前」に集中している。加盟金はいくらか、ロイヤルティは何%か、どれくらいで黒字になるか。だが「閉めた後」を詳しく解説したコンテンツは驚くほど少ない。

今回は、フランチャイズを閉店した後に残る3つの現実を、できる限り具体的に整理する。加盟を検討しているなら、これは「出口」を知るための必須知識だ。

現実1:融資の返済は閉店後も続く

フランチャイズ加盟に際して、多くの人は金融機関(日本政策金融公庫や銀行)から融資を受ける。飲食系なら1,000万〜5,000万円、ハウスクリーニングや軽貨物でも200万〜700万円が典型的な融資額だ。

問題は、店を閉めても融資の返済義務は消えないことだ。

月商が下がり赤字が積み重なる中で閉店を選んだ場合、貯金や手持ち資金はすでに消耗している。それでも毎月の返済は続く。営業していないのに、銀行への返済だけが残る。

元オーナーたちの声を集めると「閉店の翌月から再就職を探しながら返済した」「副業をしながら3年かけて完済した」というケースが目立つ。FC契約書には「加盟者の損失を本部が補填しない」旨が明記されていることがほとんどで、閉店後の経済的苦境は基本的に加盟者が一人で引き受ける

加盟前に「このビジネスが最悪のケースになったとき、自分はどれだけの期間・金額の返済に耐えられるか」を数字で計算することが、出口設計の第一歩だ。

現実2:競業避止義務の「見えない縛り」

FC契約書には、ほぼ例外なく「競業避止義務」が定められている。これは閉店後も一定期間・一定エリア内で同種の事業を営んではならないという条項だ。

典型的な競業避止条件:

たとえばラーメンFCを閉店した後、独立して別のラーメン店を出そうとすると、この条項に引っかかる可能性がある。元のエリアを離れれば問題ないケースもあるが、生活の基盤がある地域を簡単には離れられない。

裁判所の判断は割れている。 競業避止の期間や範囲が「合理的」でないとして無効とされた判例もあるが、本部が仮処分申請をするだけで精神的・金銭的な負担は大きい。争う費用と時間を考えると、多くの元オーナーは「条項通りに従うしかない」と感じている。

特に注意が必要なのは、ハウスクリーニング・リフォーム・清掃系のFCだ。習得したスキルをそのまま独立に活かしたいと思っても、競業避止が壁になることが多い。加盟前に「このビジネスで学んだことを、万一の独立後にどう活かせるか」を契約書と照らし合わせて確認するべきだ。

現実3:原状回復・設備撤去の「消えていく費用」

見落とされがちな最大のコストが、閉店時の「原状回復」と「設備撤去」だ。

テナント(借り物の店舗)でFC店を運営していた場合、退去時には物件を入居前の状態に戻す義務がある。厨房設備の撤去、内装の解体、床・壁の補修。これが想像以上の金額になる。

飲食系の原状回復費用の目安:

本部から支給・補助を受けた設備については「返却」か「廃棄費用の負担」を求められることもある。フランチャイズ専門の弁護士によると、閉店交渉の段階では「原状回復の定義」をめぐって本部と加盟者の間で解釈が食い違うケースが頻発するという。

さらに、FC本部への違約金が発生するケースもある。 契約期間の途中で解約する場合、残存期間のロイヤルティ相当額の一部を「解約金」として支払う条項を設けているブランドは少なくない。加盟金・保証金・研修費・原状回復費・解約金を積み上げると、「閉店コスト」が数百万円から1,000万円を超えることも現実にある。

加盟前に「閉店シナリオ」を描く

ここまで読んで「怖い話だ」と思ったかもしれない。しかし、これらはすべて、事前に知っておけば対策を取れることでもある。

閉店後のリスクを最小化するための加盟前チェックリスト:

フランチャイズは「参入コスト」だけでなく「撤退コスト」を含めた総コストで判断するべきビジネスだ。入口と出口を両方見てから、判断する。 それが、後悔のない加盟を実現する唯一の方法だ。

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