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フランチャイズ通信簿 編集部

FC加盟店の「営業時間」は本当に自由に決められるのか——ファミリーマートの24時間営業見直し実験から考える

FC加盟店の「営業時間」は本当に自由に決められるのか——ファミリーマートの24時間営業見直し実験から考える
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fc_slug: family-mart

date: 2026-04-22

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「24時間営業がつらい」

コンビニフランチャイズに加盟したオーナーたちから、この声はもう何年も聞こえていました。

人手が集まらない。深夜の人件費が利益を食い潰す。体を壊しても代わりがいない。それでも「契約だから」と明かりを灯し続ける——。

2026年4月、ファミリーマートがついに動きました。

ファミリーマートが始めた「24時間営業の見直し実験」

2026年4月10日、ファミリーマートは加盟店支援強化策の一環として、フランチャイズ加盟店を対象に24時間営業の短縮を試みる実験を6月から開始すると発表しました。

背景にあるのは、年々深刻化する人手不足とコスト高です。

コンビニのフランチャイズモデルは、24時間営業を前提に設計されてきました。配送スケジュール、発注システム、本部の収益構造——すべてが「店は常に開いている」ことを軸に組み立てられています。

しかし、その前提を支えてきた労働力が足りなくなっている。

ファミリーマートの実験は、この構造そのものに手を入れようとする試みです。

「営業時間」はFC契約でどう決まるのか

フランチャイズに加盟するということは、本部が定めたルールのもとで事業を行うということです。営業時間もそのルールのひとつです。

多くのFC契約書には、以下のような営業時間に関する条項が含まれています。

つまり、加盟店のオーナーが「自分の判断で」営業時間を変えることは、通常はできません。これはコンビニに限った話ではなく、飲食・サービス・小売など多くのFC業態に共通する仕組みです。

なぜ営業時間が「争点」になるのか

ここで考えたいのは、本部と加盟店のそれぞれの立場です。

本部の視点:

加盟店の視点:

ポイントは、深夜帯の人件費や光熱費を負担するのは加盟店側だということです。本部がロイヤリティを売上ベースで徴収する場合、深夜に少しでも売上があれば本部には収入が入りますが、加盟店にとってはコストのほうが大きい——そんな構造的なねじれが存在します。

2019年、ある事件がきっかけになった

この問題を全国的な議論にしたのは、2019年に起きた一つの出来事でした。

大阪のセブン-イレブン加盟店オーナーが、人手不足を理由に独自の判断で深夜営業を取りやめました。妻を亡くし、慢性的な人手不足の中で自らが深夜シフトに入り続ける日々。限界を感じたオーナーが下した決断に対し、本部側は契約違反として対応しました。

この出来事はSNSやメディアで大きく取り上げられ、「24時間営業は本当に必要なのか」という議論が社会全体に広がりました。

この一件をきっかけに、公正取引委員会がコンビニFC本部の取引実態を調査するに至り、経済産業省も「新たなコンビニのあり方検討会」を設置。業界全体で営業時間の柔軟化が本格的に検討されるようになりました。

セブン-イレブンは2020年に一部店舗で時短営業の実証実験を開始。ローソンも同様の取り組みを行っています。そして2026年、ファミリーマートが新たな実験に踏み出したわけです。

あれから7年。FC業界の対応はゆっくりと、しかし確実に動いてきました。

コンビニ3社の営業時間への対応

主要コンビニ3社のFC加盟条件と営業時間対応の違いを整理します。

| | セブン-イレブン | ファミリーマート | ローソン |

|--|---------------|----------------|---------|

| 国内店舗数 | 約21,327店 | 約16,252店 | 約7,000店超 |

| 初期投資の目安 | 約300万円 | 約150万円 | 約500万円 |

| 24時間営業 | 原則。一部時短実験 | 原則。2026年6月〜見直し実験 | 原則。柔軟対応の方針 |

| 時短営業の実績 | 2020年〜実証実験 | 2026年6月〜実験開始 | 一部で早期導入 |

※初期投資はFCデータバンクの調査データに基づく概算です。店舗タイプや契約内容により異なります。

FC加盟前に「営業時間」について確認すべき3つのこと

フランチャイズへの加盟を検討している方に、営業時間に関して加盟前に確認しておきたいポイントを3つ挙げます。

1. 契約書の営業時間条項を読み込む

「原則24時間」とある場合、「例外」はどう定められているか。時短営業が認められる条件、変更の申請手続き、本部の承認プロセスなどを具体的に確認してください。口頭の説明だけでなく、書面での確認が大切です。

2. 実際に時短営業している店舗があるかを聞く

制度上は可能でも、実例がなければ実質的には選択肢として機能していない可能性があります。「いま時短営業している加盟店はありますか?」と率直に聞いてみましょう。

3. 深夜帯の収支シミュレーションを出してもらう

24時間営業の場合と、仮に23時〜6時を閉めた場合で、売上・人件費・光熱費がどう変わるのか。本部に具体的な数字を出してもらうことで、「24時間営業は本当に必要なのか」を自分の頭で判断できるようになります。

営業時間は「経営の自由度」のバロメーター

営業時間の問題は、単に「何時に開けて何時に閉めるか」という話ではありません。

それは、フランチャイズという仕組みの中で、加盟店オーナーにどれだけの経営裁量が認められているかを映す鏡です。

営業時間を柔軟に選べるFCは、他の面でもオーナーの声を聞く姿勢がある傾向があります。逆に、営業時間に一切の例外を認めないFCは、他のルールについても硬直的な可能性があります。

ファミリーマートが始める実験の結果は、コンビニ業界だけでなく、フランチャイズという仕組みそのものの未来を占う試金石になるかもしれません。

フランチャイズの魅力は、ブランドの力を借りて事業を始められることです。しかし、その「力を借りる」代わりに手放すものがあります。営業時間は、その中でも日々の生活に直結する、もっとも身近な「手放すもの」のひとつです。

あなたがもしフランチャイズへの加盟を考えているなら、「営業時間は変えられますか?」という質問を、ぜひ加盟面談の場で投げかけてみてください。その回答の仕方に、そのFC本部の姿勢がにじみ出るはずです。

ファミリーマートの実験結果が出るのは、おそらく2026年の後半。このテーマは引き続き注目していきます。

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*この記事は、フランチャイズデータバンクの独自調査およびFC業界の公開情報に基づいて作成しています。各FCの加盟条件は変更される場合がありますので、最新情報は必ず各FC本部の公式資料でご確認ください。*

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