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フランチャイズ通信簿 編集部

「フランチャイズ比較サイト」のランキングを信じる前に——ランキングの裏側と、本当に使える情報収集術

「フランチャイズ比較サイト」のランキングを信じる前に——ランキングの裏側と、本当に使える情報収集術
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フランチャイズへの独立を考え始めたとき、あなたはまずどこを検索しただろうか。

「フランチャイズ 比較」「FC 独立 おすすめ」——そういったキーワードで検索すると、上位に現れるのは大手の「フランチャイズ比較サイト」だ。数百社のFCが並び、ランキング形式で「おすすめ上位3社」が紹介されている。資料請求のボタンが目立つ場所にある。

私はその構造に疑問を抱いた一人だ。なぜ「おすすめ」なのか。誰が評価しているのか。それを調べていくうちに、FC情報収集の落とし穴が見えてきた。

「比較サイト」は何で収益を得ているか

まず、ビジネスモデルを理解することが必要だ。

FC比較サイトの多くは、掲載企業からの「成果報酬型広告費」または「固定掲載料」によって運営されている。 具体的には、サイト経由で資料請求があった場合に、FC本部から1件あたり数千〜数万円の報酬が発生する仕組みだ。

これは不正ではない。ネット広告として合法的なビジネスモデルだ。しかし、このモデルの構造上、ランキングには一つの力学が働く。

「掲載料を多く払うFC本部が、上位に表示されやすい。」

大手フランチャイズ本部は広告予算も大きく、複数の比較サイトに積極的に掲載料を払う。一方で、「小規模だが実態が良い本部」や「財務開示に積極的な本部」が必ずしも上位に来るわけではない。

掲載されていないFCは、「良くないから掲載されていない」のではなく、「そのサイトに広告出稿していないだけ」の可能性が高い。逆に、上位表示されているFCが「本当に良いFC」とは限らない。

「口コミ」はなぜ信用しにくいのか

比較サイトには口コミ機能がついているものも多い。「実際に加盟したオーナーの声」として星5つのレビューが並んでいることがある。

これにも構造的な問題がある。

①ポジティブなレビューは投稿されやすく、ネガティブな声は抑制される。

本部側から「良いレビューを書いてください」と依頼されるケースがある(インセンティブ付きの場合も)。一方、不満を持つ加盟者は、「本部との関係が悪化するリスク」から公開の場での批判を避けることが多い。

②匿名性が高いと、信頼性の検証ができない。

「加盟3年目のオーナー」と書いてあっても、実際にそうかどうかは確認できない。比較サイトのレビューに実名・店舗名・地域が明記されているケースは稀だ。

③サンプルが少ない。

100店舗以上あるFCのレビューが「5件」しかない場合、そのレビューが全体を代表しているとは言えない。5件が全て5点であっても、統計的に意味のある情報ではない。

比較サイトの口コミは、「参考程度に読む」ものとして位置づけるべきだ。それを主要な判断材料にしてはいけない。

では、どこを見ればいいのか

比較サイトを否定するわけではない。FC本部の一覧を俯瞰するには便利なツールだ。しかし、判断の材料はそこ以外から集める必要がある。

① 法定開示書面(フランチャイズ契約の手引き)

日本では、FC本部は加盟希望者に対して「法定開示書面」の提示が義務付けられている。 これは中小企業庁の「フランチャイズ取引の手引き」に基づくもので、以下の情報が記載されている。

この書面の「退出者数」を確認することで、毎年どれだけの加盟者が離れているかがわかる。「3年間で加盟者が50人増えたが、退出者も40人いた」という事実は、比較サイトのランキングには載らない。

本部に「法定開示書面を見せてください」と要求する権利が、加盟希望者にはある。 見せることを渋る本部は、それ自体が一つのサインだ。

② 公正取引委員会の調査・処分情報

公正取引委員会は定期的にフランチャイズ取引の実態調査を行い、問題のある本部に排除措置命令を出すことがある。過去の処分情報は公正取引委員会のウェブサイトで確認できる。

加盟を検討しているFC本部の社名で検索するだけで、過去に何らかの行政指導や勧告を受けているかどうかがわかる。比較サイトにはこの情報が載ることはほぼない。

③ 既存加盟者への「直接ヒアリング」

最も信頼できる情報源は、実際に加盟している・していたオーナーの声だ。

本部に「既存の加盟者と話せますか」と依頼してみる。良心的な本部は、複数のオーナーを紹介してくれる。その際、本部が「選んだ」オーナーであることを忘れてはいけない——成功事例を見せようとするのは当然だ。

だからこそ、本部が紹介した以外のルートも探す。同じFCブランドの店舗に実際に足を運び、スタッフに「オーナーの方にお話を聞けますか」と率直に頼んでみる。 断られることもあるが、応じてもらえれば、本部フィルターのかかっていないリアルな声が聞ける。

④ 帝国データバンクや信用調査

FC本部が株式上場企業であれば、有価証券報告書で財務状況を確認できる。非上場の場合でも、帝国データバンク等の信用調査機関のレポートを取得することで、本部の財務健全性を確認できる。

費用は数千円程度だが、数百万〜数千万円の初期投資を決める前の「保険」として考えれば、安い出費だ。

⑤ 業界団体の公開情報

日本フランチャイズチェーン協会(JFA)は、加盟会員企業の情報を公開している。JFAに加盟している本部は、一定の基準と自主規制を守ることが求められている(加盟していないから悪い、ということではないが)。

「良い情報」と「正しい判断」は別物

ここまで読んで、「だから比較サイトは使えない」と結論づけるのは早計だ。

比較サイトは「発見のツール」として有効だ。自分が知らなかったFC業種や本部との出会いのきっかけになる。問題なのは、そこで「判断」まで完結させてしまうことだ。

情報収集のフェーズと、判断のフェーズを明確に分けること。

多くの人が「発見フェーズ」で得た印象をもとに「判断フェーズ」の結論を出してしまう。比較サイトの星5つが、脳内で「この本部は信頼できる」に変換されてしまうのだ。

最後に——「急かされた」ときほど立ち止まる

FC本部の営業担当者が「今月中に決めれば加盟金が50万円割引になります」と言う。比較サイトに「残り3枠」と書いてある。説明会の後に「ぜひ一緒にやりましょう」と言われる。

これらはすべて、意思決定を急かすための手法だ。

優れたFC本部は、加盟希望者が十分に検討した上で加盟してくれることを望んでいる。なぜなら、納得して加盟したオーナーの方が、困難に直面したときに粘り強く乗り越えようとするからだ。急かしてくる本部は、「今月の加盟件数」を優先している。

情報収集に時間をかけることを、後ろめたく思う必要はない。あなたが投じる数百万〜数千万円と、これから先の数年間の人生がかかっている。その決断は、ランキングのスクリーンショット1枚で下すべきものではない。

フランチャイズ通信簿では、393以上のFCブランドの加盟金・ロイヤリティ・評判を中立的にまとめています。加盟前の情報収集にぜひご活用ください。

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